お話は昨日のレッスンでの事…
私の中で一生忘れられない出来事がありました。
発表会の曲決めが始まり、ある男の子の選曲をしていました。
お母さんとお姉ちゃんと一緒に考えながら、悩みながら決め、
お母さんに楽譜が届くまでの練習楽譜を用意しに行ってもらっている間、
宿題のレッスンをしていました。
男の子の宿題には、ブルグミュラーの「心配」というのがありました。
その曲の仕上がりはとてもよかったのですが、ひと皮むいてもらおうと、
「心配って曲やからもう少し心配そうに弾いてみてよ〜」
と注文しましたが、まだ年長さんの男の子には心配の意味があまりわからず、
「心配ってどんな感じ?どんな気持ち?」
と質問。
「ん〜、そやなぁ…今だったらお母さんがコピーに行ってくれてるけど大丈夫かなぁ?とか、発表会弾けるかなぁ?とかの心配かな?」
と説明すると納得したらしく、弾き始めたところ
素晴らしく心配そうに…それはもう、
好きな人から連絡がこない…!好きな人が待合せ場所にこない…!
という様な心の不安定な感情を見事に表したかの様な弾きっぷりでした。
弾き終え、私は大絶賛していると、男の子は微妙な顔をしています。
ん…?この顔、どこかで見たような…?
と思っていると男の子は突然号泣し始めました!!!!?
私は慌てふためき、「どうしたの?!先生何か傷つく事を言ったかな?!」
と尋ねると…大号泣しながら
「…ちがう…。ママの…こと…△×/☆♪(大号泣で聞き取れず…)」
私「ママ?!ママは今発表会の楽譜を〇〇君の為に用意しに行ってくれてるよ?」
というも、違うと言い号泣は続いていて、謎は深まるばかり…
すぐに落ち着きを取り戻し、発した言葉が
「ママの事を心配しながら弾いたら悲しくなった。」
と話してくれ、また号泣し始めました。笑
ビックリしましたが、なんて優しくて感受性が豊かなんだと感激!
そこで私が、
「優しいんやねぇ。先生が今ここからいなくなったら心配してくれる?」
と聞くと、躊躇なく笑いながら首を振られました…笑
お母さんには勝てない…!と悔しくてショックでしたが、
小さいながらにたった1曲に気持ちを込めてくれたのは
本当に嬉しい時でした。
実はこの男の子、以前ブルグミュラーの「さよなら」が宿題だった時にも
お家の練習で泣いていたそうな…笑
私がお手本で弾いた「さよなら」が悲しすぎたそうな…笑
お母さんは逞しくなってほしいと仰っていましたが…笑
涙の数だけ強くなれるよ♪
という歌が昔あったように、きっと彼も大きくなったら
とても優しくて逞しい男の子になるだろうと思いました*
写真がなかったので、心配の曲を私の楽譜で載せます…♪